【パク・ユハ氏の『帝国の慰安婦』での主張の問題点とこれからの問題のメモ書き】 | ANTIFA★黒い彗星검은혜성  だにえる단열の一言。

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韓国籍在日朝鮮人3世、いわゆる「在日コリアン3世」のだにえる단열が大好きな『日本』について書く、そんなブログです。
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①アジア女性基金への評価(評価によって日本が国家的責任と謝罪から逃れたことを肯定すること)、パク・ユハ氏は和田春樹氏と懇意で、和田はアジア基金肯定・推進、当初、国家としての責任、立法と謝罪、賠償を主張したが、半ば挫折した人物。

②基金を肯定することによって起きた運動と支援の衰退、被害当事者の分断が起きたことへの反省がないこと(挺対協と基金派の対立の激化)。

③慰安婦制度の問題を韓国/日本という概念枠、あるいは国家の対立枠でしか語らないことで、むしろ、国家間の問題として還元しようとしているのはユハ氏の主張ではないかということ。それにより、国家の個人への公式な謝罪の問題が重要視されないこと。

④さらに国家枠で被害当事者を分けることで、被害当事者の国際的な連帯ができなくなること(日本帝国出身の被害者は自発的で、植民地出身の被害者は植民地の業者によって徴集させられた、敵国出身の中国、オランダの被害者は強制的にされたか、強姦されたという、分け方が多様性と性搾取の構造の問題を無視して、固定的になることで、分断が起きる)。

⑤それによって韓国の慰安婦被害者は、「職業としての慰安婦」、「植民地の女性と帝国男性との同志的関係」というイメージのまま、ユハ氏の言う「注目されなかった別の記憶」が加わるのではなく、塗り替えられで固定的になること(歴史修正主義にのまれる)。

これから起きうる諸問題。

①韓国の運動圏においての偏狭な民族主義、「親日派糾弾イデオロギー」に辟易しているリベラル派の批判。その中で挺対協やナヌムの家が、そのように解釈され「悪魔化」されること(それにより被害者非難が起きる)。

②そのような韓国のリベラル派の運動圏への批判、民族主義への批判や不満が、韓国の右派への批判よりも先に、「反日イデオロギー」として理解する日本のリベラル派や右派・保守派によって共有されて、批判の対象が「反日」それ自体になり、日本の、日本帝国の戦争責任、帝国としての責任が追求できなくなる。

③歴史修正主義がより複雑な局面で広まる。たとえば、「売春」肯定論が性搾取の肯定論に発展する形のような、根本問題としての女性への人道上の人権侵害の問題、責任追及がないがしろにされながら、狭義の強制性か、広義の強制性かなどや、被害者非難や自己責任に転化する議論に発展する可能性。普遍的人道上の問題の犯罪性の矮小化、被害者非難の言説の強化。

④アジア女性基金を肯定することで、日本国がまるで国家として責任を果たし、公式な謝罪と賠償を行ったという誤解が広まったり、現実的な状況との妥協として矮小化された問題として、アジア女性基金で「よかった」と評価する人が増える。それによって運動の衰退や分断が起きて、日本の、日本帝国の戦争責任、帝国としての責任が追求できなくなる。→日本帝国の犯罪と現在も続く犯罪性への謝罪と反省、責任を追及できなくなる。